リリースノート

NoahAI Labs のサービス構造変更および運用方針変更の記録

本ノートの目的

本リリースノートは機能追加や改善の一覧ではなく、サービス構造の変更と運用方針の変更を記録することを目的とします。

各バージョンで「何が変わったか」よりも、「なぜその構造にしたか」「どの運用原則を適用したか」を中心に記録します。

運用ランブック公開:Kiwoom OpenAPI+ Windows 診断手順(2026-05-11)

構造変更の背景

ETF/株式の条件付きベータ実連携検証において、Kiwoom OpenAPI+ の接続失敗要因が環境ごとに異なっていました。 対応品質と再現性を揃えるため、Windows 基準の標準診断ランブックを正式化しました。

運用構造の変更

  • 標準実行フロー: PowerShell で仮想環境有効化後に検証スクリプトを実行する手順を固定。
  • 原因分離キー: control_okhas_OnReceiveTrDatapython_bitsos で ActiveX/イベント/認証系を切り分け。
  • 提出必須 3 点: コンソール全文、JSON Step 0、API 接続 FAIL detail を必須化。

検証補助指標

スクリプト回帰の基準値として、Mac 開発環境で13 passed, 4 skipped, 60 deselected を確認しました。

v3.8.9.19:ダッシュボードタブ高度化と韓国市場連携(2026-05-06)

構造変更の背景

資産統合・生活金融・AIアナリストの各タブがテキスト中心だったため、 判断に必要な情報が不足していました。タブ別に可視化/計算エンジンを実装し、 株式市場トレンドも韓国市場基準へ切り替えました。

運用構造の変更

  • 資産配分診断: 比率バー、HHI 集中度メーター、相関ヒートマップ、リバランス提案カードを追加。
  • シナリオ点検: DB trade_log 200件ベースで保守/現行/積極の 3 戦略比較を追加。
  • リスクブリーフィング: -5%〜-50% 損失シミュレーションと即時対応アクションを追加。
  • 生活金融タブ拡張: セキュリティ警告と税計算タブを新設。
  • 韓国株トレンド連携: KOSPI/KOSDAQ と主要銘柄・セクターの表示を反映。

配備検証

メニュー回帰テスト 51 passed(0 failed)・構文エラー 0・変更ファイル 5・新規関数 12

v3.8.9.11: TP/SL -2021 の根本修正とリテック基盤の拡張(2026-01-25)

構造変更の背景

GALA、JASMY など低価格アルトで TP(利確)注文が失敗する事象が発生しました。エラーは -2021: Order would immediately trigger であり、単なるバグではなく、価格精度の扱いと TP 方向検証の構造的な問題でした。

あわせて、暗号資産での実運用検証を経た金融AI運用エンジンをETF/株式へ拡張する作業が進みました。特定資産に依存しない資産中立の金融AIプラットフォームへ向けた重要な一歩です。

運用構造の変更

1. TP/SL -2021 の根本修正

  • キー名の互換: price_precisionpricePrecision の両方をサポート。以前はキー不一致により精度が常に 2 に固定され、低価格コインで正確な価格計算ができませんでした。
  • 低価格コインの自動検出と精度調整: 価格がおおよそ 0.001〜0.02 の範囲にあるコインを自動検出し、適切な価格精度を強制して TP/SL が正しく約定するようにします。
  • TP 方向の検証: LONG では TP は現在価格より上、SHORT では下である必要があります。以前はこの検証が欠け、誤った方向の TP が生成されることがありました。

2. リテック金融AIプラットフォームの拡張

  • StockExchange インターフェース: trading/exchanges/interfaces/stock_exchange.py を追加し、証券取引所と暗号資産取引所を同一インターフェースで扱えるようにしました。資産中立の金融AIエンジンの中核設計です。
  • 国内証券アダプタの骨格: trading/exchanges/adapters/kiwoom_stock_adapter.py を追加し、証券APIを金融AIシステムに統合する基盤を整えました。
  • ダッシュボード: 株式/証券タブと証券会社別のサブタブを実装し、暗号資産と株式を同一UIで管理できるようにしました。

運用原則

あらゆる資産クラスで同じ安全装置が動くこと。低価格アルトでも高価格コインでも、暗号資産でも株式でも、TP/SL などの安全装置は正確に動作し、価格精度や資産タイプによって挙動が変わってはなりません。

また、特定資産に依存しない資産中立設計により、新しい資産タイプを追加しても既存の安全装置と運用構造をそのまま再利用できる必要があります。今回の ETF/株式拡張は、この設計原則の最初の実運用例です。

v3.8.9.9: Binance Algo Order API の完全実装(2025-12-27)

構造変更の背景

Binance の方針変更(2025-12-09)により、条件付き注文(TP/SL)が Algo Service への分類が必須となりました。単なる機能追加ではなく、取引所API方針の変化に伴う運用構造の再設計です。

運用構造の変更

  • 署名生成ルールの統一: クエリ文字列ベースの署名で、全パラメータを一貫して処理。
  • 価格精度の標準化: tickSize を優先し、浮動小数点誤差を抑えて安定性を確保。
  • 条件付き注文分岐の簡素化: 複雑なロジックを削減(約160行→55行)し保守性を向上。
  • レスポンス形式の統一: Algo Order の応答を通常注文と同じ形式に変換し、既存コードとの互換性を維持。

運用原則

取引所方針の変更に対応する際は、新要件を満たしつつ 既存コードとの互換性を維持します。全モジュールに自動適用される設計とし、追加修正を最小化します。

v3.8.9.7: Binance API 準拠と設定構造の改善(2025-01-26)

構造変更の背景

Binance API の公式ルールに完全準拠し、ハードコードされた設定をユーザーが制御できる構造へ移行しました。

運用構造の変更

  • API 準拠: closePosition=True のときは quantity を送らない。reduceOnlyclosePosition の同時使用は禁止。
  • 設定ファイルの構造化: バックアップ TP/SL を settings.json に移し、AI が市況に応じて自動調整可能に。
  • パス自動検出: ハードコードを廃止し、パッケージ環境でも正しいパスを自動検出。
  • TP/SL の役割の明確化: リアルタイム監視(主)とバックアップ TP/SL(保険)を分離。

運用原則

取引所APIのルールは 絶対に遵守します。ユーザー制御可能な設定はファイルに分離し、AI が動的に調整できるようにします。

v3.8.9.5: TP/SL 検証と原子性の強化(2025-01-26)

構造変更の背景

TP/SL 検証に失敗しても取引が進んでしまう問題を解消し、原子性の保証で安全性を高めました。

運用構造の変更

  • TP/SL の必須化: 検証失敗時はポジションを即時決済し、取引は失敗として扱う。
  • 原子性: TP/SL の一方でも失敗したら両方ロールバック。再設定時も原子性を維持。
  • 検証ロジックの統一: すべての検証で同一の注文タイプフィルタを使用。
  • モジュール化の準備: TpSlManager を中心に TP/SL 責務を集約し再利用可能に。

運用原則

安全装置(TP/SL)は 必須です。設定できなければ取引は実行されず、原子性により部分失敗を防ぎます。

v3.8.9.3: 統合残高と取引統計の構造改善(2025-11-29)

構造変更の背景

複数取引所を同時運用する際に統合管理できるよう、残高と取引統計の構造を改善しました。

運用構造の変更

  • 統合残高の合計表示: 複数取引所の USDT/KRW 残高を合算して表示。
  • 取引統計の統合参照: exchange_trade_stats を優先し、trade_log にフォールバックして精度を向上。
  • TP/SL 決済の記録: TP/SL 決済時も trade_log を更新し統計精度を向上。
  • 手数料を考慮した決済: 手数料を踏まえた最小利益しきい値で、手数料回収を担保。

運用原則

マルチ取引所運用では 統合視点が必須です。個別取引所だけでなく、全体の資産と成果を一目で把握できる必要があります。

v3.8.9.2: スマートな段階的学習(2025-11-29)

構造変更の背景

新規ユーザーと既存ユーザーの双方に適切な条件を適用するため、段階的学習システムを導入しました。

運用構造の変更

  • 取引履歴に基づくしきい値: 初回取引(0回)から通常取引(11回以上)まで段階的に緩和。
  • 銘柄ごとの初回取引: 新しいコインを取引するときも緩和されたしきい値を適用。
  • AI の総合判断を信頼: 弱いシグナルでも市場条件が良ければ AI の判断を尊重。
  • シグナル強度による調整: 強度に応じて AI の信頼度を自動調整。

運用原則

学習は 段階的に行います。最初は緩い条件で始め、履歴が蓄積されると通常のしきい値へ。シグナル強度だけでなく AI の総合判断を信頼します。

v3.8.9: ポジション同期の強化(2025-11-21)

構造変更の背景

アプリ再起動後も正確な状態を維持し、実際の取引所とメモリ状態を同期する構造を強化しました。

運用構造の変更

  • 実取引所とメモリの同期: 各取引サイクル開始時に実ポジションを取得。
  • 決済済みポジションの自動削除: メモリを整理しポジション数を正確に認識。
  • 実ポジションの自動復元: アプリ再起動にも対応し状態を維持。
  • 取引サイクルの安定化: 正確なポジション数認識でループを正常化。

運用原則

メモリ上の状態は常に 実取引所の状態と一致する必要があります。同期により再起動やネットワーク障害後も正確な状態を保ちます。

v3.8.8.8: 取引ブロック問題の解消と設定の永続化強化(2025-11-14)

構造変更の背景

初回取引が実行されない「鶏と卵」問題を解消し、ユーザー設定が確実に保存されるよう構造を改善しました。

運用構造の変更

  • 初回取引の許可: 全体の取引履歴が 0 のときは緩い条件を適用。
  • データ不足時のしきい値緩和: user_signal_threshold による動的調整。
  • 設定値の保存強化: ネストした辞書を再帰的にマージし、2段階以上のネストも完全処理。
  • 保護された設定項目: 重要項目を明示的に保護し、テンプレートマージでもユーザー値を優先。

運用原則

循環問題は 構造で解決します。初回取引を許可してデータを蓄積し、ユーザーが変更した設定は常に保持します。

v3.8.8.6: Alpha Arena モードの追加(2025-11-07)

構造変更の背景

LLM ベースの自律取引モードを追加し、多様な取引戦略を支える構造へ拡張しました。

運用構造の変更

  • 独立モード: 既存の自動売買パイプラインと完全に分離した Alpha Arena モード。
  • LLM 自律取引: AI が直接取引判断と実行を行う構造。
  • 検証済み戦略の適用: Alpha Arena ベンチマークで検証された勝ちアルゴリズムを適用。
  • ガードレールの自動適用: レバレッジ範囲、TP/SL 必須、クールダウンなどを内蔵。

運用原則

新しい取引モードは既存システムから 独立して運用され、モードごとに適切なガードレールが自動適用されます。ユーザーが選んだモードに応じて戦略が変わります。

v0.1: ウェブサイトのサービス構造の公開(2025-12)

サービスページの整理

NoahAI Labs のウェブサイトのサービス領域を次のように整理しました:

  • Services(/product): 現時点で利用可能な個人向け金融AIサービスに焦点。
  • 自律型金融アシスタント(/product/assistant): 統合リテック/金融AI/自律アシスタントの上位概念と拡張ビジョン。
  • Technology(/technology): 金融AIエンジンと運用スタックの説明。
  • Enterprise(/enterprise): B2B/機関向けの運用スタック。

構造変更の理由

従来はコイン中心の説明に偏っていましたが、NoahAI Labs が目指すのは特定資産ではなく統合的な金融判断AIです。

コインは「最初に実運用検証された資産」という位置づけにとどめ、拡張可能な金融AIの構造を明確にするため、自律型金融アシスタント専用ページを追加しました。

運用原則

  • 個別コイン戦略、収益率の数値、短期成果の強調は行いません。
  • 判断→実行(任意)→記録→振り返り→説明(XAI)の構造を中心に説明します。
  • 投資助言・収益保証の表現は禁止します。
  • 技術の過剰宣伝はせず、「プラットフォーム」「エンジン」「運用構造」といった表現を用います。

今後の予定

今後のリリースノートでは、次のような構造変更を記録する予定です:

  • 資産範囲の拡張(コイン→証券/ETF/不動産)
  • リスク解釈能力の高度化
  • 判断説明範囲の拡大
  • 実行範囲の拡張
  • 運用方針の変更
  • 取引所API方針変更への対応
  • 安全装置構造の改善

機能追加や成果の数値は記録せず、構造と運用原則の変更のみを記録します。